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暮春 ~土方side~ 

2015, 12. 19 (Sat) 07:39

 お口直しでこちらをどうぞ。
 以前、別なサイトでUPしていたものの再掲載になります。

 パス付連載も少しずつ書いてますので、お待ちください。
暮春
土方Side

 蝦夷の春はとても遅くにやって来てとても短いな……、千鶴。
 江戸だったら卯月の頃には満開になる桜も、ゆったりと時を進めて花を咲かせる。
 そう、お前と俺のこれからはこの桜のようにゆっくりと歩んで行こう。
 腕の中で寝息を立てる愛しい娘にそっと囁く。
 長かったな……。
 新選組の最後という重たい荷物を背負ってまだ俺は歩んで行くのだろう。
 走り続けて、立ち止まって、今度は歩むことになった。
 お前をこの俺が選んだ道を共に歩ませることを、俺は怖かった。
 それが惚れているってことになるんだろう。
 お前がいつだって笑みを浮かべ、安堵の中で暮らす、そんな平穏な日々を俺は与えてやれるとは、約束、できねぇんだ。
 俺はな、千鶴……。情けねぇが怖かったんだよ。羅刹になっちまった俺がお前を抱いていいのか、本当に夫婦になっていいのか、わかんなくなっちまっていたんだよ。
 それでもかまわねぇとお前は言ってくれたよな。これだから江戸の女には勝てねぇんだ。
 春が来て、夏となり、短いまたたきの中で秋が行き過ぎ、光の欠片が舞うように雪が舞い散る冬となる、この蝦夷の大地で俺たちは生きていく。
 楽はさせてやれねぇな……。
 もっともお前は楽なんていらねぇと云うんだろうが……。
 短い春……。
 長い冬……。
 繰り返される季節を一緒に見ていこうな。
 もし許されるならば、長く、できるだけ長く――――。
「なぁ、千鶴……」
 傍らに瞳を寄せれば、まるで子犬か子猫のように俺に擦り寄って笑みを浮かべたお前の寝顔。
 ったく、どんな夢を見てるんだ、本当に嬉しそうに笑ってやがる。
これは、これだけは俺だけが見ることが出来るたった一つの宝だな。
 そうだろう、千鶴。
 昨夜、お前の想いと俺の想いが溶けあって一つになった。
 お前の心だけじゃなくて、身体にも俺を刻みこんで……。
 お前は俺となり、俺はお前となった。
 比翼の鳥のように、俺たちは一つになった。
 だから。
 共に歩もう。
 共に生きよう。
 季節が移ろっていくその中で、俺たちは俺たちに託された荷を背負ってどこまでも行こう。
 こうして生きていくことはとてつもなく単純で、それでも酷く辛くて、けどな、お前の笑顔を見ていると、これで良かったんだと思えるんだよ。
 おかしいだろう、この新選組の鬼の副長ともあろうものがよ。
 ただ一つ。
 許されるなら、俺はまだ生きたい……。
 千鶴、お前の傍で生きていきたいんだ。
 春が暮れていくのはあっという間だ。
 だから、俺は願いたいんだ。
 氷の欠片が光のように舞う凍えるような冬で構わない。長く、長く、千鶴、お前と共に生きて生きたいんだ。
 千鶴、お前の優しい笑みを浮かべた寝顔をいつまでもこうして見つめていたいから……。
 千鶴、まだこうして眠っていてくれるか。俺だけが見つめることができるお前の笑みを俺の心の奥に刻み込むまで。
 夜が明けて、朝となり、短い春が暮れていくその時まで、こうして……。
おしまい

土方さんSideでーす。ゲームでは結構さらりとみんな夫婦になってますけど、そこへいたるまでに葛藤があったんじゃないかなぁ。(原田さんとちー様覗く)みんな羅刹になってるし、明日どうなるかなんてわかんないものですが、その状態で千鶴ちゃんと契りを交わすって……。手が出せないって言うのはあったんじゃないかな。千鶴ちゃんの方から押しがありそうと考える私に問題ありかなぁ。(えと、苦情は勘弁ね)
それに斎藤さんは新政府で仕事をすることになるけど、それ以外は無職……。
土方さんはいろんな伝手がありそうだけどね。(大鳥さんとかね)
では、次は千鶴Sideですねぇ。
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