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小春 ~千鶴Sied~ 

2015, 12. 20 (Sun) 06:20

 こちらも以前別なサイトでUPしていたものをこちらへ再UPさせていただきました。
 昨日の土方さんの話とこちらでワンセットになっています。
 
 書きたいものもありますが、意欲を削られることが最近は多くて、アイタタ状態です(苦笑)
 
 しばらく、こちらの別なサイトで鍵付きでUPしていたを再UPしていこうと思っています。
小春
千鶴Side


 蝦夷の春は短い……。
 春のように逝ってしまわないでね、私はあなたに願う。
 この大地に安息を与えてくれたのは愛しき人たち……。
 あの日……、ようやく五稜郭へと辿り着いた私たちを待っていたのは、私達自身の訃報。
 あなたは満身創痍の身体のままで、怒りと口惜しさに震えていた……。
 でも―――。
 もうどうすることもできなくて、あなたと私の遺骸は新政府軍が汚すことのないように五稜郭の一角に深く、深く、埋葬されたことになった。
 そこに埋められたのは、私とあなたの戦装束。あなたの愛刀……。
 あなたはそれを黙って見つめていた。
 抗い続けて、志を貫いて、それでも抗い続けることは出来なかった。
 あなたが必死で護り続けてきたものが深く埋葬されていく。
 あなたは涙一つ見せることはなかったけれど、心が慟哭していた。
 私にはわかっていたもの……。
 ごめんなさい。でも、私はあなたに生きていてほしい。
 あなたが生きていく意味を私に見いだしてくれたのならば、どうか、生きて……。
 奪われたんじゃない。
 失ったのでもない。
 新しく見いだすのだと、いま、あなたに言うべきではないのかも知れないけれど、私たちは生かされた。
 生かされた命は生きていかなくてはならない。
 そう誓って、私たちは一つになった。
 この帰り花が咲く小さな小鳥の巣のような私たちの宿りで……。
 あなたは私に怖くないかと問いかけた。
 羅刹となってしまったあなたが私に触れることに。
 死人になってしまったあなたと共に生きていくことに。
 私はあなたが愛おしいだけ、それだけなの。
 だから触れて。
 だから共に歩むことを選んで。
 その言葉にあなたが笑う。『これだから江戸の女には勝てねぇんだ』とそう言って……。
 手を差し伸べれば、あなたがその手を握りしめてくれる。
 愛おしくて、切なくて、あなたの腕の中でなければ私は私でいることが出来ないの。
 だから、私を奪いとって、私をあなたに刻みつけて……。
 二度とふたたび離れぬように、そう、連理の枝となって互いに生きていきたい。
 これからも流れゆく時代の波にさらわれることもあるのかも知れない。
 でも、あなたが私の導。
 私もあなたの導になることはできるのかしら。
 傍らで安らいだ眠りに身を包むあなた。
 ただ、ただ、あなたの元に共にありたくて夢中で追いかけてきたけれど、私はあなたを本当に支えることができたのだろうか……。
 そう問いかければ帰る答えは一つだけ。
『俺はお前に支えられていたんだろう』
 あの一言に私が救われたことをあなたは知らない。
 やだ……。涙が溢れる。
 どうして涙が流れるのかしら。
 私はこんなにも幸福なのに、胸の中からあなたへ想いが溢れだしそうなくらい幸福なの。幸福だと涙が溢れるのかしら。
 ねぇ、歳三さん……。
 笑っていたいの、あなたの傍らで、いつだって笑って、いたい……。
 それは私の望み。願い。
 あなたが私の胸の中では癒されているといいのだけけれど……。
 私はあなたの安らぎになりたい。癒しの手となりたい。
 この長い凍てつく様な寒さに満ちた冬に待ち続ける、あなたの春に私はなりたい……。
 春となって、あなたの傍にあり続けたい。
 だから、お願い。
 もう少しだけ私の傍らで眠っていて……。
 凍える冬が通りすぎ、あなたが待ち続けている春が訪れるまで……。
 長い冬の寒さの中では私があなたの春となって、あなたの傍であなたを守り続けるから。
おしまい


 千鶴ちゃんSideです。連理、比翼はご存じ長恨歌です。あんまり漢詩は読まないんだけどね、学校で今もこれはやるのかな?(詩自体は嫌いじゃないんだけど、漢詩はやっぱり敷居が高くてねぇ。それに中国文学は基本的に白文が好みなので)

 五稜郭へ土方さんの遺骸を埋めたというのは史料を当っています。新政府軍が土方さんの遺体を晒したり汚したりしないように、五稜郭まで弁天台場から運んで埋めたそうですね。

 時々、土方さんが大鳥さんたちと一緒に投降したらどうなったんだろうと思うことがあります。新選組の元副長だからやはり極刑だったのかな。でも生き延びて要職に就くんじゃないかなと思ったりもして……。大鳥さんも最後は男爵になってるし。(明治時代初期は人材不足だったからね)
 そんなことを想像するのがとっても楽しいのですよ、私ゃ。
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