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Prosit! 

2016, 01. 01 (Fri) 00:00

あけましておめでとうございます

 昨年は大変お世話になりました。

 (年末にコメントくださった方へ。直接、お返事のメールをさせていただいております。届いていないようでしたら、ご連絡願います。コメントありがとうございます、本当に励みになります。お互いに、今年も作品を完結に向けて頑張りましょうね♪)

 本年も小さいながらお話を書き続けていくつもりですので、よろしくお付き合いいただければと思います。
 新しい年が皆様にとって素晴らしい一年になりますように(*^-^*)

 新しい年は刀剣乱舞から。審神者メインの話になってしまいました(笑) 次郎太刀との話ですね。
 こちらは「神は」シリーズ設定のIF作品になります。

 そして大みそかに、いきなり髭丸がうちの本丸へきました。さて、弟を迎えに行かなくてはですね。
 年末に先にお年玉をもらった気分です(笑)
 
Prosit!

『乾杯! 乾杯!
声を合わせて、酒の王を讃えよ、共に!!』

『乾杯! 乾杯! 乾杯!!』

『杯を挙げよ! 挙げよ! 挙げよ!!
シャンパンと共に讃えよう!』

『杯を挙げよ! 挙げよ! 挙げよ!!
シャンパンと共に讃えよう!』

『シャンパンこそ 酒の王よ!』

ヨハン・シュトラウスⅡ世作曲 喜歌劇「こうもり」 シャンパンの歌より

 大祓は大忙しだ。それなりに広い本丸を全員できれいに掃除して、一年の穢れを払う。厨では、あのほっそい、もしくは、ちっこいビジュアルの身体のどこへ収まるのか(もちろん、一部の例外はいるけれども)と疑問なのだが、大量のおせち料理を作るために、光忠と歌仙が戦場でもないのに厨で殺気立って、本体ならぬ包丁を握っている。

 時々、厨にいろんな頭の色が違う鼠が出るために、『せめて! 雅に散れ!』とか『このままじゃ…格好つかないんでね!』とか、物騒な言葉が聞こえてくるのはどうかと思うけど、主である私まで出入り禁止とは……。

 解せぬ! おせちの味見もいけんとはどういうこったい!!! 一応、私は主だぞ!

🌻

「掃除だって、もう私ができるとこはなんもないもんなぁー」

 離れという名前の別宅(ようやくうちの本丸が落ち着いた今となっては、私が刀剣たちの誰かと喧嘩した時に怒って閉じこもるとか、博多と二人、相場で儲けが出ているときに引きこもるくらいだが)の大掃除も済ませて、巡回という名目で本丸を廻れば、私の出る幕なんて全くない。

 うーん、こんな年末なんて久しぶりかもなぁ。

 自分の家で、きちんとおせちをつつくなんて、ずっとしてなかったよなーと、遠い目になる。たいてい、この時期は海外へ行っていたから、和風の年越しに激しく違和感てか。

 審神者にさせられる前までの数年はジルベスタ―コンサートへ行って、そのまま、シャンパンを片手にカウントダウンして、翌日にはニューイヤーコンサートへ行くか、オペレッタと見に行くのが定番だったもんなぁ。

 なんとなくなつかしさが胸の奥から湧き出してくる。クラシックは嫌いじゃないし、オペラもオペレッタも大好きなんだよなぁ~。

 うーん、現世が恋しくなってるか、らしくないよなぁ~。

 こんな時は癒しのモフモフが必須なんだが、あいにく、こんのすけもお供の狐、五虎退の子虎たちもトリミングへお出かけ中だ。最近できたモフモフを愛する審神者の話題のスポット。彼ら専門の美容院である。(要は現世のペット美容院と同じなんだけどね)もちろん、癒し担当の彼らのためなら、行きたいと言えば行かせてしまうのは仕方がなかろう。(何しろ鳴狐も五虎退も付き添っていることだし……)

 だが、なんでこんのすけまでトリミングへ行きたがる? 解せぬ? わたしゃ、お前に癒された覚えなんてないんだが??

 そんなことをぼぉーと思いながら、慣れた手つきでお気に入りの一枚をディスクにセットする。リモコンを操作してお気に入りの場面を見つけて、大きなTV画面に映し出されるのは十九世紀のウィーンの社交界。きらびやかなドレスとタキシード。ワルツに、そしてなによりシャンパンだ!

「酒を飲むなら
トッララララ! ラッラ!

極楽浄土!
トッララララ! ラッラ!

王や皇帝は名誉が好きだが、
それより、何より、酒を呑むのが好きだ。

乾杯! 乾杯!
声を合わせて、泡立つ酒を讃えよ、共に!」

 ヨーロッパでは年末年始恒例というほど上演されているオペレッタ『こうもり』。他愛ない小さなもめ事の話だけど、新年にはふさわしい話だ。

 この物語の中では誰も不幸にならないし、最後はみんながハッピーエンドでめでたし、めでたし。

 私たちの世界がどこでもこうならいいのにね。おいしいお酒と、酒を一緒に楽しめる大事な相棒たちと、つまらない争い事も、最後には酒の酔いのせいにして笑い飛ばすことができるような世界。

 早く、世界がそうなればいい、そんなことを願う。

 軽やかな音楽を聴きながら、窓を開けば一面雪景色。さすがにビールというよりも、こんな時は熱燗か、ホットワインがいいか。

 赤ワインが思っていたよりもうまくなかった時にはホットワインにするに限る。

 柚子湯で使った柚子の残りをこっちへも持ってきたから、冷蔵庫からそれを出して、それから蜂蜜を取り出す。

 鍋に残り物のワインを開けて、グラグラと煮立てて、刻んだ柚子の皮と絞った果汁と蜂蜜を入れる。甘い香りとワインの香りが合わさってふんわりといい香りが漂う。

「あーるじ! なーにを一人で呑んでんのさ」

「お、姐さんかぁ。さすがに酒の匂いには反応が早いねぇ」

 お気に入りのマグへ出来上がったばかりのホットワインを入れていると、姐さんこと次郎太刀が窓の外から顔をのぞかせた。

「なんだい、それ? 匂いはいいけど、色は鯉の生き血みたいだねぇ」

「鯉の生き血かぁ。さすがに血は飲まんなぁ。これは赤ワインをホットワインにしたもんだよ。

 あれ、姐さんに赤ワインを呑ませたことなかったっけ?」

「びーるは風呂上りに一緒に飲んだりしてたけど、それは見たことないねぇ」

「あゝ、そっか。赤い色に過敏に反応する子がいたから、みんなの前では呑んでなかったんだよね」

 ブラックカースト本丸という特殊なブラック本丸だった、この本丸にはたくさんの傷ついた刀剣男士が存在していて、血に塗れた刀剣男士がいることが普通だった。だから、血糊の赤い色はどこにも存在していたもんな……。
 
 今でこそ、落ち着いたけど、それでも記憶に刻まれた嫌なことは簡単には消えてくれない。だから、そっちへ連想が行くようなものはできるだけ控えていたんだよね。

 まぁ、基本的に私は冬でもキンキンに冷えたビールがいいし。

 でも、新年を迎えるときはやっぱりシャンパンやワインが飲みたくなるのは、仕方のないことだろうね。それが私の当たり前だったからさ。

「甘くておいしいよ、姐さんも呑んでみる?」

「相伴していいのかい?」

「ほかならぬ、我が本丸の大事な初期大太刀である姐さんですからねぇ」

 くすくすと笑いながら、窓の外から手が伸びてくる。

「へ、中に入ればいいのに」

 その手に大きめのマグに入れたアツアツのホットワインを手渡しながら、そういうと、

「雪の中で熱い酒を呑むのも粋だろう」

 と男士なのに嫣然と微笑まれてしまった。なんだろう、この女としての負けた感は……。

「そうかもだねぇ~」

「白い雪に、血のような赤い酒が似合うじゃないか。この雪が赤い緋色に染まらないようにアタシたちは刀を振るう。主の采配に従ってね。もう少しで新しい年が来る。また戦の日々さ。
 けどね、今はこうして主と酒を呑んでいられる。アタシはそれだけで幸せさ」

 本丸のなかの小さな諍いは終わっても、戦は終わらない。私は本丸で采配を振るうだけだ。それしかできない。審神者とは何て無力な存在なんだろうか。それでも、私はこの本丸の主で、刀剣男士たちの要だ。

 だから……。

「いつか、いつかね。みんなが本霊に還る姿がみたいな。戦が終わって、みんながあるべき場所へ戻るときを。

 その時にはそれこそ山のようにたくさんの酒樽を取り寄せて、ワインやビール、シャンパンも開けて、みんなで乾杯しよう」

「いいね。約束だよ、主」

 カチンと互いのマグが音を立てる。

「乾杯!」

「乾杯!」

 その時、私たちの後ろからこんな歌声が聞えてきた。

『偉大な酒の王者を讃えよ!
 乾杯!』

🌻

 そのあと、宴の席で、我が相棒の悪ふざけを真に受けた本丸の連中が広間にシャンパンツリーを作り上げて(なーにが私の時代には正月はこうして祝うって! 間に受けるんじゃねぇよ!! ったく、うちの本丸はホストクラブじゃねぇっての!!)、そのシャンパンツリーへ誰がシャンパンを注ぐかで揉めたのはこの本丸に刻まれた、笑い話となった新しい記憶。

 その新しい記憶に杯を掲げて、私は心の中でこう呟いた。

 再び戦場へ赴く、私の刀剣男子へ杯を奉げ、彼らに幸あらんことを祈ろう。

「Prosit!(乾杯!)」

おしまい

後書き

こちらは連載中の「神は」シリーズのIFものです。まだまだ、こんなふうになるのは時間がかかりそうですね。シャンパンツリーを作るのに奮闘する光忠の話を書きたいとも思ったのですが、本編ではまだ出てませんので(笑)

実は私の長年の夢の一つに新年、一月一日に本場のウィーンでニューイヤーコンサートと「こうもり」を見たいというのがあります。そして、今年の二月に小澤さん指揮で東京文化会館で「こうもり」が上演されるのですが、仕事で見に行かれません。
その反動ですね。

最後に簡単ホットワインのレシピを

材料
赤ワイン(ダイソーで売っている安いもので十分です)
柚子
蜂蜜
(好みでショウガを入れてもOKです。わたしはショウガを入れる方が好きです)

1:赤ワインを適量、鍋に入れて火にかけます。(アルコールを飛ばしたい方はここでぐつぐつやってしまってください)
2;柚子は皮の一部をむいて、細切りに刻んでください。量は少なめが私はお勧めです。(ショウガを入れたい方は、ここで生ショウガも大きめに薄切りにしてください)
3:煮立った赤ワインに柚子、ショウガ、蜂蜜を入れて、蜂蜜が溶けたら出来上がり。
注:このとき、ショウガは取り出してカップへ注いでくださいね。

では、お熱いうちにどうぞ。風邪をひいたときにもいいですよ。私は、今はほとんどアルコール飲めないので、これくらいがちょうどいいのです♪ 最後に2014年のものですが、「こうもり」の乾杯の歌をどうぞ(#^.^#) 
 



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