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完全で完璧な審神者 

2016, 01. 10 (Sun) 21:31

 生活のサイクルが変わったこともあり、なかなかお話が書けません。(御歳魂集めに頑張っていたというものありますが、とりあえず、兄弟でGET! 現在は連度上げに使ってます)

 このお話は乗っ取りものですが、私のストレス解消で書いたような感じの作品です。
 ほぼ、まんばと女審神者、見習いしか出てませんのでご注意を(こんのすけもいるよ♪)
完全で完璧な審神者

 ったく、時の政府は審神者の数の帳尻合わせだけに奔走してるんじゃあるまいか? マジでこの戦争に勝つ気持ちはありますのん?

 今、現在、あたしが置かれている現状(まさにテンプレな乗っ取りの修羅場)に、イラッ! としながら思う。

 今更だけど、戦争中だよね。あたしたちの敵は歴史遡行軍というテロリスト集団のはずで、同じ審神者(含む、見習い)じゃねぇはずなんだけど、ナッ!!

 あたしの目の前にはいるのは、テンプレまんまの乗っ取り娘。政府の高官の娘で、霊力が豊富。まさに天が二物も三物も与えたような人物だ。

 まぁ、あたしみたいなたどり着いた先が審神者でしたという人間とはまっーたく違う経歴の持ち主ってことさ。そして情けないことにあたしがその霊力を注いで顕現したほとんどの刀剣男士はテンプレ娘へ寝返ったらしい。しかも修羅場をまんまリアルに報告すれば、いわゆるレアという連中がドヤ顔した泥棒猫の後ろで、あたしへ威嚇してきやがってる。

 あほか!

 あたしが本丸を立ち上げてから五年。それでも、遡行軍との戦に勝ちを納めてきたのも意味ねぇってか!! てめえらを、食わして、育ててきたのは、誰でもない、あ・た・しだろうが!!!

 確かに政府のごり押しで押し付けられた、見習いよりも、あたしゃ、霊力も劣るようだし、美貌なんてもんも、はじめっから持ち合わせちゃいねぇよ。

 けどな……!! 誰一人折ることなく、ここまでの戦況を維持してきたのはあたしなんだよ。
 
「俺たちに必要なのは彼女のような完全な審神者なのさ」

「完璧、完全。欠けた月では意味がない。そなたではなく、主ならば、刀の本質を分かって扱ってくれよう。この瞳に映る三日月ではなく満月のようにな」

 研修という名前の遊びの時間が終わり(この女、真面目に研修しなかったもんなぁ。レア連中の尻を追いかけていくか、他の刀剣男士たちのご機嫌取りばっかしてもんね)と告げると同時に、三日月や鶴丸からそんな言葉が出た時は、は? という間抜けな一言が漏れてしまった。

 完全って言った?

 完璧って言った?

 ねえ、あんたら、その言葉の意味、マジでわかってんの?

 人間はどこまでいってもたかが人間で、完全なんて存在しちゃいねぇんだぜ!? だからあたしゃ、審神者に行きつくしかなかった。

「審神者殿よりも完璧な主にお仕えできれば、戦場でたとえ折れるようなことがあったとしても私たちも本望というもの。ですから、ここは引いて下され」

 あ、はい? 折れても本望って? てか、完全で完璧な指揮で、なんで折れる前提、わけわからん?

「……」

 その言葉に小さく息を呑む音が聞こえて、あたしは声を漏らした主を探す。粟田口の短刀五虎退だ。あゝ、ったく!! 余計なことを言いやがって!!

 おひ! 一期なぁ!! お前がその見習い女に惚れようが、主と讃え崇めようとかまわんよ。けどな、お前のことを心配して、そっちへ付いた弟連中まで巻き込むんじゃねぇよ!

「審神者様には本当に申し訳ないと思うんですが、ですが、私に主なってもらいたいと皆さんがおっしゃるので」

 てめえも完璧で完全な主と言い切るなら、周囲の刀剣男士の様子を見ろよ! 確認してやれよ!! 臣下の言動をきちんと把握しやがれ!!

 あほくせえことをいい笑顔で言い切りやがる前に、おめえがたらしこんだ刀剣たちの状態を把握しろよ。てか、わかるはずだろが!! 完全で完璧な審神者さんならよぉ!!

 こいつ、ぜっていにてめえが指先ひとつの間違いもしてねぇと信じてやがる。しかもてめえが本当に神にでもなったような気になってやがるわ、アイタタタ。

 アナタノオツムハ,ダイジュウブデスカ⁇ 

「そりゃ、すごいわー。驚いたわー。完全で、完璧な審神者なんだー。あたしはそんな人にあったことはいないけど、そうなら、あんたは見習いしなくてもよくね???」

 こいつらの前で猫を被る必要もないし、もういいや。私についてきてくれるのは、初期刀の山姥切国広とこんのすけだけみたいだし。

 一振りと一匹にはあたしの性格全部晒していたから、今さらだろうけどねぇ。ほかの連中はいつもと口調が違うから驚いているみたいだけど……。

 まじで、もういいわ。だって、政府がこいつをつれてきたってことはそうなんだろうからさ。

「こんのすけ。あたしについて来るって言っているまんばは、新しい本丸へ一緒に行けるんでしょう。なら、いいよ、全部、こいつらに明け渡すわ。めんどくさいの、マジで嫌いなんだわ。まんばもいい?」

「……」

 あたしの言葉が気に入らないのか、あたしの言葉に頷いたまんばがきにいらんのか……。あっち側に付いた奴にはあたしを睨みつけてんのもいんなぁ、あら、こわい♡

 審神者、困っちゃう♪

「主さまぁ。こんのすけはこんな書類なんて、引き裂いてしまいとうございます。主様は、主様わぁ!!」

 見習いから渡された本丸と刀剣男士の譲渡書類を前にしてこんのすけがぼろぼろと涙を流す。

「やめとき、やめとき。ここで政府の譲渡書類を破けば、あんたが罰をうけるだけだよ」

 誰かが自分の代わりに泣いてくれると怒りも半減するんだなあ、ありがたいなぁ。あたしはひょいとこんのすけを抱き上げると、ぽんぽんと背中をたたいてやる。

「多くの刀に選ばれるよりもたった一振りに、たった一匹に、選ばれる方が幸福だってこともあるさ。ねぇ、まんば?」

「ああ、そうだな。少なくともあんたは写しの俺を第一に選んでくれた」

 あー、はい、はい。あんたがいまだにあたしの刀剣男士でいてくれるのは、それが一番の理由なんだよねぇ、そういう意味では初期刀選びって大事だよなー。

「山姥切国広様は、その凡庸な人間をまだ主とされ続けるのですか?」

 まんばの答えに柳眉を吊り上げて、見習い女が聞いてきやがる。もう、お前さ、あたしを裸になるまでひんむきたい、ってのか?

 ああ!! さすがのあたしも我慢の限界かも、かも~。まだ、エグエグとひらぺったい胸で泣いてるこんのすけを撫でながら、感情のこもらない声でまんばへ声をかける。返ってくる返事なんてわかっちゃいるんだけどさ。

「まんば、あたしゃ、あんたの意思を尊重するよ。あんたがあの女のとこへ行きたければ行けばいい」

「なにをいまさら。俺はあんたの刀だ」

 まんばの被った白い布の向こう側から返事が返る。

 そしてもう一つ。返事の向こう側に見えるのは、あたしから何もかもを盗み出そうとする完全で完璧といわれた見習いと、自分たちがそんな完全で完璧な泥棒猫に盗まれたものがなんなのかもわからない裏切りものの修羅の顔。

 そう、これだけは裏切られることがない約束。

 この世界の全部があたしの敵になったとしても、この世界のすべてがまんばを写しと侮ることがあっても、それでもあたしたちはこの戦が終わるまでともに戦い続ける。

 戦争なんてものとは、死ぬまで関わることなんてないと信じていられたお馬鹿さんな小娘が、写しと呼ばれて卑屈になっている刀と交わした契約。

 こんのすけとまんばとあたしだけが知っている約束だ。

 あたしは十人並みの人間でしかない。けどね、どんなに頑張ってもあんたが手に入らないものを確かにこんなあたしだって持ってるんだよ。

「山姥切国広様、あなたは騙されているんです。私の元へいらしてください。私だったら、あなたを完璧に扱うことができる」

 まーだ、いうか! この小娘は!!

「あんたのいう完全で完璧というのはなんだ? 俺にはわからない。それに、あんたが審神者として完全だと、完璧だと皆が言うが、何が完全で、何が完璧なのか、俺にはわからない。なら、俺はこのまま主の元にいる」

「あ、あなたが必要なんです! 私にはあなたがとても必要なんです。だから、共に遡行軍と戦いましょう。私なら、あなたを華々しく活躍させてあげることができる。戦の中で折れても悔いのない刀生を与えてあげることができる! ですから!!」

 あゝ、あほらしい。また折れるの前提かい? 

 そんな盛りの付いた猫みたいにわめく見習いを斜めに見つめながら、譲渡書類へ署名して血判を押す。これでこの本丸は私のものではなくなった。

「まんばぁ~。もう譲渡書類へサインしたから、あたしのそばへ来た方がいいよぉ~」

 その言葉にまんばが慌てて、私の傍らに侍る。私物はもう新しい本丸へ送ってあるし、どうせ、新しい本丸では一からの再出発だ。なら、もうここへ私の霊力を供給するのは無意味だろう。本丸への霊力の流れをあたしは情け容赦なく絶った!

「山姥切様! どうして私が正しいとわかってくださらないんですか!!」

 そんな見習いをまんばが憐れむような眼で見ていた。

 かわいそうにね。完全で完璧な審神者候補さん。でも、三日月や鶴丸たちが認めた完全で完璧な審神者なら、これから起こることにも対応できるよね。

 だって、あんたは完全で、完璧なんでしょう。

「こんのすけ、まんば、二人ともあたしから離れなさんなよ!!」

「「……!!」」」

 遠くから地鳴りに近い音が本丸へ響き渡る。それに呼応するようにしてガラスがきしむような音も響く。

 ま、貧乏くじを引かされて、こんな場所に本丸を構えることになったし、最後は見習いにほぼ全部をかっさらわれたけど、もういいよな。

 だって、完全で完璧な審神者にほぼ連度上限の刀剣男士なら、これから起きることにも完璧に対応してくれるでしょうしねぇ。

「な、なに!?」

「なんで結界が破れる!」

「まさか、こんな時に敵襲!!」

「お、落ち着いてください!」

 本丸に広がっていた青空が徐々に灰色の厚い雲に覆われていく。その真ん中にまるで子供が定規で引いたような線が表れて、そこから亀裂が広がってゆく。その中心から湧いて出てくるのは遡行軍だ。

「五年間、主様が守られてきた国境が……」

 こんのすけが腕の中で震えている。

「まぁ、いいさ。結構、大変だったしさぁ。 それに完全で完璧な審神者がここにはいるんだから、なんとかなるんじゃね」


 やがて、この本丸を守っていた私の結界が、あいつら風にいうなら完全に完璧に破られる。

 ここは歴史遡行軍の巣の近くなんだよねぇ。ずぶの素人をとっ捕まえて、初期刀一振りを渡されて、まずあたしがやったのは遡行軍との戦い。本丸を建てる前に美濃の国境に結界を張ることが審神者としてのあたしの役割だった、てか、実際のとこはあたしという贄でとりあえずの時間稼ぎができればオールOKで問題なしって感じだったのかな?

 けど、そんなことは本丸が出来上がってからやってきた連中は知らない。知らせるなとも言われていた。だから、このことを知っているのはこんのすけとまんばとわたしだけ。

 自分の身体も傷だらけにして、まんばも折れる一歩手前まで行って、ここは戦場なんだと思い知った。だから、何も知らない小娘はたった一人の写しの神様へ互いの願いを託した。そして誓った。だから……。


 ずっと結界の張りっぱなしの上に、謀反まで起こされちゃあ、もういいよねぇ。

「やはり結界が切れると、主の霊力が高くなるな」

「そ? あたしにぁ、わからんけどさ」

「その霊力があればこそ、審神者様がここの守備を任されておりましたのに……」

「あたしはこんのすけとまんばがいてくれればいいよ。それに今度は安全なところで、国境なんて守備が大変な場所じゃないんでしょ?」

 阿鼻叫喚の中をゲートが壊れる前に次の本丸へ移動しながら、のんきに会話できるのは、あの一日を生き延びたから。

「はい! 乗っ取りは防げませんでしたが、それだけはこのこんのすけ頑張りました!!」

「なら、新しい本丸ではしばらく昔みたいに三人で静かに暮らすか」

「あゝ、いいね。今夜はケータリングで引っ越しのお祝いしよう。おいしいものをたくさん飲んで、食べて、いやなことはパーッと忘れよう!!」

「あ、こんのすけは稲荷ずしが食べたいです」

「おお、じゃ、ケータリングでお寿司やピザとかたくさん頼もうよ」

「ぴざか、あれはうまいな。もう他の奴の分を気にしないで食えるのはうれしいな」

「だよねぇ。まんばはかなり遠慮しいだからさ。今夜はたくさん食べてよ」

「あゝ、そうさせてもらう」

 そんな会話をしながら、あたしは遡行軍に対抗できずに折れてゆく刀剣男士たちを見つめていた。折れても本望と言っていたのに、なんで、そんなに絶望的な顔をしているのさ。

 あんたたちはあの女のためだったら、折れても本望だって言ったじゃない。なんで、今さらそんな顔してあたしを見てんのさ。

 天に唾したのはあんた達じゃないか。あたしじゃあないってことを忘れないでよ。

 さぁ、完全で完璧な審神者である泥棒猫の見習いさん。あなたの後ろで高速槍が動いているけど、あなたはこの一瞬を生き延びて頂戴ね。完全で完璧なあなたならできるでしょう。

 あなたが審神者にふさわしくないという烙印を押したあたしにもできたことだものねぇ。

 では、ご武運を……。

終わり

後書き
会社の研修とか、予備校の授業とかで、完璧とか、完全にこだわる人っていますよね。完璧って絶対にありえないのにね。できる範囲で、できることをきちんとするのが仕事だし、試験だって合格点に達すればそれでいいのにね。
そして、そーいうひとに限って何もしていない。先生に質問するのもいや、メモを取るのもいや。じゃあ、できないと思うんだけど、完璧とか完全にこだわる。謎だ!!
そんな子が見習いだったらと思いついて書いて見たんですが……。
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コメント

アリアンロッド

Re: どもです♪

muraさん、コメントありがとうございます(*^-^*)
作品たのしんでいただけたようでうれしいです。
完璧で完全って存在しないんですよね。私はそう思ってます。
私自身が完璧主義なので、できないことがわかってるしで完璧じゃない自分にイラッ! とストレスが溜まって……。
難しいですよね。

お忙しそうですね。私のほうもまたばたばたしていて、お話の続きがかけてません。
できる範囲で頑張ろうと思ってますが、できないことも多いわけで(苦笑)
お互いに頑張りましょうね!

そしておそらく待っていてくださっている連載。うーん、原田さんにまでてこずらされるとは(ノД`)・゜・。
書いては消しを繰り返してます、とほほ。

お天気が不安定ですね。花粉も飛び始めたようですし、無理をなさいませんように。
BYアリアンロッド

2016/02/18 (Thu) 22:05 | アリアンロッド | 編集 | 返信

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